第9章 7年ぶり、人生2度目のアリアンツ・アレーナ

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ドイツへ来た理由の一つは、バイエルン・ミュンヘンを現地で応援することだった。

テーガンゼーで行われたFC Rottach-Egernとの親善試合が、今回のワーホリで初めての現地観戦。

しかし、そこはアリアンツ・アレーナではなかった。

そして今回、ついにその日がやってきた。

2026年8月15日に行われた、テレコムカップのRBライプツィヒ戦。

私にとって、7年ぶり、人生2度目のアリアンツ・アレーナだった。

7年前に観戦したマインツ戦

初めてアリアンツ・アレーナを訪れたのは、今から7年前。

当時は旅行でドイツを訪れ、バイエルン対マインツのリーグ戦を観戦した。

高校3年生の頃、受験勉強で遅くまで起きていたときに、SNSで偶然流れてきた動画を見て好きになったバイエルン。

そのチームの試合を初めて現地で観られたことは、今でも覚えている。

しかし、当時の私はあくまで旅行者だった。

試合を観たら日本へ帰る。

いつかこの街に住み、ここでバイエルンを応援したいと思いながらも、本当に実現するかは分からなかった。

それから7年。

今度は旅行ではなく、ドイツで生活する一人として、この場所へ戻ってきた。

チケットは人とのつながりから

今回のチケットは、ドイツへ来てから知り合った日本人の方に取ってもらった。

その方は、3年連続でバイエルンのホームゲームを全試合観戦している。

ドイツへ来なければ、おそらく出会うこともなかった人だ。

仕事探しや家探しでも感じたが、こちらで生活していると、人とのつながりに助けられることが本当に多い。

今回もそのつながりのおかげで、アリアンツ・アレーナへ戻ることができた。

座席は222ブロックの16列目。

ピッチ全体を見渡しやすく、十分に試合を楽しめる場所だった。

駅からスタジアムへ向かう時間が好き

アリアンツ・アレーナの最寄り駅はFröttmaning駅。

試合の日になると、ユニフォームやマフラーを身につけた人たちが同じ電車に乗り、駅から一斉にスタジアムへ向かって歩いていく。

何が特別なのか、うまく説明することはできない。

ただ、あの雰囲気がなんとなく好きだ。

これから同じ試合を観る人たちが、同じ方向へ歩いていく。

少しずつ大きくなっていくスタジアムを見ながら、その人の流れに混ざって歩く。

試合が始まる前から、すでに楽しい。

そして、目の前にアリアンツ・アレーナが現れたときに思った。

「ようやく、ここまで辿り着いた。」

7年前は旅行者として来た場所。

今回は、この街で生活しながら戻ってきた。

「ここが私の家だ。」

そう思えた。

ビールとBratwurstを両手に

スタジアムへ入ったら、ビールとBratwurstを購入。

Bratwurstは焼いたソーセージをパンに挟んだ、ドイツのスタジアムでは定番の食べ物だ。

日本でいうホットドッグに近い。

右手にビール。

左手にBratwurst。

その両方を持って席へ向かう。

そしてバイエルンのゴールが決まれば、タオルを振る。

これが、これからの私のノルマになる。

ドイツへ来る前に思い描いていた生活が、ようやく現実になり始めた。

ルイス・ディアスの先制点

試合はバイエルンが先制した。

13分、相手守備の乱れからボールを拾ったルイス・ディアスがゴール。

新加入の選手がアリアンツ・アレーナで得点を決め、バイエルンが1点をリードして前半を終えた。

この日は7万5000人が入ったものの、プレシーズンの親善試合ということもあり、公式戦のような大盛り上がりという雰囲気ではなかった。

それでも、7年ぶりにこの場所でバイエルンのゴールを見られたことが、ただうれしかった。

同点に追いつかれても、5分後に勝ち越し

後半開始からライプツィヒが攻勢を強め、52分にグルダのゴールで同点に追いつかれた。

しかし、そのわずか5分後。

パブロヴィッチのパスに反応した新加入のブラウンが抜け出し、そのままゴールを決めた。

同点にされても、すぐに勝ち越す。

再びアリアンツ・アレーナにバイエルンのゴールアンセムが流れ、タオルを振る。

7年前に来たときとはゴールアンセムも変わっており、以前とはまた違った雰囲気を味わうことができた。

ムシアラの完全復活!?

69分、ジャマル・ムシアラがピッチへ入った。

昨季1月に大きなけがから復帰し、4月頃から少しずつ調子を上げていた選手。

そのムシアラが81分、イスマエル・サイバリからのパスを受けてチーム3点目を決めた。

本来の調子を取り戻しつつあったムシアラが、アリアンツ・アレーナでゴールを決める。

チームにとっても、サポーターにとってもうれしいゴールだった。

試合はこれで決まった。

そう思っていた。

ゴールからわずか5分後

しかし、事件が起きた。

ゴールを決めてから約5分後、ムシアラが接触のない状態で突然ピッチに倒れ込んだ。

すぐ近くにいたサイバリが身体を支え、キミッヒをはじめとした選手たちも駆け寄った。

この日のミュンヘンは非常に暑かった。

報道では循環器系の不調とされていたが、スタジアムで見ていた私たちには、その時点で詳しい状況は分からない。

大きなけがを乗り越え、ようやく本来の調子を取り戻しつつあった選手が、再びピッチで倒れている。

つい数分前まで、ムシアラのゴールを喜んでいた。

それだけに、心配と不安が一気に大きくなった。

勝利しても、不安の残る試合

試合は3対1でバイエルンが勝利した。

ルイス・ディアスの先制点。

ナサニエル・ブラウンの勝ち越しゴール。

そして、ムシアラのダメ押しゴール。

結果だけを見れば、新加入選手と復調しつつある選手が結果を残した良い試合だったと思う。

しかし、最後にムシアラが倒れたことで、素直に勝利だけを喜ぶことはできなかった。

うれしさと心配が同時に残る試合になった。

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ここから始まる

7年前、旅行者として訪れたアリアンツ・アレーナ。

そして今回、ドイツで生活しながら、人生2度目のアリアンツ・アレーナへ戻ってきた。

駅からスタジアムへ向かう人の流れに入り、ビールとBratwurstを両手に席へ向かう。

ゴールが決まれば、周りのサポーターと一緒に立ち上がってタオルを振る。

これから、この光景が特別な一日だけのものではなくなっていく。

ようやく、このスタジアムに辿り着いた。

ここが私の家だ。

私のドイツでのバイエルン観戦生活は、ここから始まる。