無事に次の家が決まり、ようやく安心して帰れる場所を確保できた。
しかし、ドイツでは家を見つければ、それですべて終わりというわけではない。
新しい住所へ引っ越したら、住民登録が必要になる。
ドイツ語では「Anmeldung」と呼ばれる手続きだ。
今回は少し時間を戻して、ドイツへ来た直後に行った最初の住民登録について書こうと思う。
英語もドイツ語もほとんど話せない私にとって、海外の役所へ一人で行くというだけでも一大イベントだった。
「ちゃんと登録できるんやろか」
そう不安に思っていたが、実際に行ってみると、家探しよりもはるかに簡単だった。
ドイツへ来たら住民登録が必要
ドイツで生活を始める場合、基本的には入居後14日以内に住民登録をする必要がある。
ミュンヘン市内で別の家へ引っ越した場合も同じで、新しい住所へ入居してから14日以内に住所変更の手続きをする。
私もドイツへ来る前から、
「渡独してから2週間以内に住民登録をしなければならない」
と聞いていた。
遅れたら何か問題になるかもしれない。
そう考えると、できるだけ早く済ませておきたかった。
そこでネットで手続き方法を調べ、ミュンヘン市の公式サイトから予約を取ることにした。
予約は頻繁に確認すれば取れる
ミュンヘンでは、住民登録をBürgerbüroという市民窓口で行う。
私は公式サイトから空いている日時を探し、RuppertstraßeにあるBürgerbüroを予約した。
最初にサイトを見たときは、都合のいい予約枠がなかなか見つからなかった。
「これ、2週間以内に予約取れへんのちゃう?」
少し焦った。
しかし、毎朝7時から8時頃にサイトを確認していると、いくつか空いている時間が出てきた。
予約枠はキャンセルなどで追加されることもあるようなので、一度見て空きがなくても諦めず、頻繁に確認することが大切だと思う。
そして、もう一つ注意が必要だった。
予約を申し込むと、確認メールが届く。
私が予約したときは、そのメールにある確認ボタンを30分以内に押さなければ、予約が完了しない仕組みになっていた。
空いている日時を選んだだけで安心してはいけない。
確認メールを開き、最後のボタンを押して、ようやく予約完了だった。
私は遅れたらやばいと思って慌てていたが、朝の時間帯を中心に何度か確認すれば、予約自体は思っていたより簡単に取れた。
学校にもらった一枚の紙
住民登録に必要なのは、基本的に有効な身分証明書と、実際にその住所へ入居したことを証明する書類だ。
この証明書は「Wohnungsgeberbestätigung」と呼ばれている。
大家や、部屋を提供している人に発行してもらう書類で、賃貸契約書とは別のものだ。
当時の私は、語学学校が用意したWGで暮らしていた。
そのため学校に、
「住民登録をする必要があるので、必要な紙を発行してください」
と伝えた。
学校から受け取ったその書類とパスポートを持ち、予約した日にBürgerbüro Ruppertstraßeへ向かった。
ドイツ語の長い書類名は覚えにくい。
しかし、住民登録ではこの紙がかなり重要になる。
これからドイツで部屋を探すなら、家賃や場所だけでなく、住民登録ができる物件なのか、Wohnungsgeberbestätigungを発行してもらえるのかも確認しておいたほうがいい。
モニターに番号が表示されるまで待つ
予約した日時にBürgerbüroへ行くと、待合スペースにモニターが設置されていた。
受付で長い説明をするようなことはなく、自分の予約番号が画面に表示されるまで待つ。
時間になるとモニターに番号と窓口が表示され、順番に呼ばれる仕組みだった。
自分の番号を見逃さないようにモニターを眺めながら待った。
そして、ついに自分の番号が表示された。
英語もドイツ語もほとんど話せない状態で、初めてドイツの役所の窓口へ向かう。
住民登録そのものより、何を話しかけられるのかのほうが不安だった。
ドイツ語と英語、どちらがいい?
窓口へ行くと、担当者から聞かれた。
「ドイツ語と英語、どちらがいいですか?」
正直に言えば、どちらもよくない。
そこで、
「両方話せません」
と答えた。
それなのに、なぜかドイツ語でお願いした。
せっかくドイツに来たのだから、少しでもドイツ語を使ってみようと思ったのかもしれない。
担当者は、そのままドイツ語で説明を始めた。
しかし、話が進むにつれて、私の顔はどんどん困り顔になっていった。
それを見た担当者は、途中から英語でも説明してくれた。
心の中では思っていた。
「まあ、英語になってもあんまり変わらんねんけどな」
それでも、単語や相手の動きから、何となく内容は理解できていたと思う。
書類を出して、サインをしたら終わった
窓口では、学校からもらったWohnungsgeberbestätigungとパスポートを提出した。
何を聞かれたのか、細かい内容までは覚えていない。
「今回が初めての登録なのか」
「以前の住所からの引っ越しなのか」
おそらく、そのようなことを確認された。
あとは、指定された場所にサインをした。
身構えていたわりに、手続きはあっさりと進んだ。
難しいドイツ語で自分の状況を長々と説明する必要もなかった。
必要な書類を出し、聞かれたことに何となく答え、言われた場所にサインをする。
それだけで住民登録は完了した。
費用もかからなかった。
あれだけ不安に思っていたドイツで初めての役所手続きは、想像していたより簡単に終わった。
引っ越したら、もう一度登録する
住民登録は、一度済ませればドイツにいる間ずっと終わりというわけではない。
別の住所へ引っ越した場合は、新しい家への入居後14日以内に住所変更の手続きが必要になる。
ミュンヘン市内での引っ越しでも同じだ。
そのため、第5章で書いた新しいWGへ移る際にも、大家からWohnungsgeberbestätigungを受け取り、新しい住所を登録する必要がある。
ドイツで家を探すときに「Anmeldung möglich」、つまり住民登録可能かどうかが重要なのはそのためだ。
部屋に住むことはできても、住民登録に必要な書類を発行してもらえなければ、その後の手続きで困る可能性がある。
WGを探す際は、契約を決める前に必ず確認しておきたい。
結論、何となくでも住民登録はできる
ドイツへ来る前は、海外の役所で手続きをすることにかなり不安を感じていた。
予約は取れるのか。
必要な書類はそろっているのか。
窓口で何を聞かれるのか。
言葉が分からなくても大丈夫なのか。
いろいろ考えて身構えていた。
しかし、実際に必要だったのは、予約、パスポート、そして学校から発行してもらったWohnungsgeberbestätigungだった。
予約番号がモニターに表示されたら窓口へ行き、書類を提出して、言われた場所にサインする。
ドイツ語が分からなければ、担当者が英語でも説明してくれた。
その英語も全部は分からなかったが、それでも登録は完了した。
もちろん、正確な情報を伝え、必要な書類をそろえることは大切だ。
でも、語学に自信がないからといって、必要以上に恐れることはないと思う。
分からないときは、分からない顔をすればいい。
私の場合、ドイツ語も英語もろくに話せなかったが、何となく理解して、何となくうなずいて、無事に住民登録を終えることができた。
結論。
必要な書類さえ忘れなければ、住民登録は何とかなる。
家探しに比べれば、役所は全然怖くなかった。
※手続き方法や必要書類、予約方法は変更される可能性があります。実際に登録する際は、ミュンヘン市の公式サイトで最新情報を確認してください。
