ドイツ生活、最初の2か月で感じたこと

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今回は、実際にドイツで生活を始めて、最初の2か月で感じたことを書いていこうと思う。

旅行で訪れるドイツと、実際に暮らすドイツはまったく違った。

憧れているだけでは見えなかった現実もあれば、実際に住んだからこそ感じられた楽しさもあった。

ドイツで迎えた最初の日

ドイツへ到着したのは、日曜日の早朝だった。

今回は留学エージェントを利用し、最初の2か月間は語学学校が用意してくれたWGで生活することになっていた。

空港には、学校が手配してくれたタクシーが迎えに来てくれた。そのまま車に乗り込み、これから暮らすWGへ向かった。

部屋へ入って最初に思ったのは、

「思っていたより広いな」

ということだった。

建物もきれいに管理されていた。共有スペースは週に一度、清掃スタッフの方が掃除をしてくれる。

海外のシェアハウスと聞いて、もっと雑然とした環境を勝手に想像していたので、部屋を見て少し安心した。

そこにはすでに、スイス人の同居人が暮らしていた。

とても親切な人で、キッチンの使い方やゴミ捨てのルールなどを英語で説明してくれた。

ただ、理解できたのは半分くらい。

「たぶん、こういうことを言ってるんやろな」

そんな感じで、何度もうなずきながら聞いていた。

そのとき、私は初めて気づいた。

ドイツへ来て最初にぶつかった壁は、ドイツ語ではなく英語だった。

到着した翌日、まさかのBBQ

荷物を片付けていると、同居人から声をかけられた。

「明日、学校のみんなでBBQに行くけど来る?」

もちろん、返事は決まっていた。

「行く!」

そして翌日。

朝になっても、誰も動かない。

昼になっても、誰も準備を始めない。

「今日ちゃうかったん?」

そう思っていたら、夕方になってようやく出発した。

日本との時間感覚の違いを、初めて感じた瞬間だった。

目的地へ向かう途中、同居人が電車のアプリの使い方やチケットの買い方を教えてくれた。

おかげで、その後の移動ではほとんど困ることがなかった。

BBQには、世界中から集まった学生が来ていた。

メキシコ、エクアドル、ブラジル、イタリア、スイス……。

日本にいたら、一日でこれだけ多くの国の人と話す機会は、まずない。

正直、英語はほとんど分からなかった。

それでも、同じ場所で笑い、一緒にご飯を食べているだけで楽しかった。

そして、もう一つ驚いたことがある。

20時を過ぎても、外がまだ明るかったことだ。

日本ではなかなか見られない景色だった。

「これがドイツの夏なんや」

そう思いながら、ドイツで初めてのBBQを楽しんだ。

完全にアウェーだった語学学校

数日後、語学学校が始まった。

A1クラスの教室へ入ると、最初に聞こえてきたのはスペイン語だった。

メキシコをはじめ、中南米出身の学生が多く、アジア人は私一人。

「完全にアウェーや」

それが、教室へ入ったときの最初の感想だった。

年齢も自分より若い学生が多かった。ドイツの大学への進学を目標に勉強している人も、少なくなかった。

そして、私が勝手に抱いていたイメージも、初日で崩れた。

「ドイツにいるんやから、みんなサッカー好きなんちゃうん」

当然、そんなことはなかった。

一番仲良くなったのは、同じWGに住んでいたエクアドル人だった。

年齢も同じで、休日には一緒に出かけることもあった。

会話は正直、半分以上理解できていなかったと思う。

それでも、一緒にスーパーへ行ったり、ご飯を食べたり、街を歩いたりした。

言葉が完璧でなくても、人とは仲良くなれる。

それを彼から教えてもらった。

スーパーでは毎日が勉強だった

生活が始まると、スーパーへ行く機会も増えた。

最初に買ったのは、水だった。

まだ水道水を飲んでも大丈夫なのか分からず、とりあえずペットボトルを買っていた。

そして、一口飲んで思った。

「うわ、炭酸かよ」

海外あるあるを、初日からしっかり経験した。

商品の値段にも驚いた。

「これ、こんな高いん?」

と思うものもあれば、

「意外と安いやん」

と思うものもある。

でも、日本円に換算してみると、やっぱり高かったりする。

しばらくは値札を見るたびに、スマホで日本円に計算していた。

レジへ行くのも緊張した。

店員さんと話す自信がなく、最初はセルフレジばかり使っていた。

ところが、お酒を買うと、年齢確認のために店員さんを呼ばなければならない。

結局、人と話すことからは逃げられない。

野菜も、最初はなかなか買えなかった。

商品によっては、バーコードを読み取るのではなく、自分で野菜の種類を選んで入力しなければならない。

「これで合ってるんかな」

そう思うと不安になり、手に取った野菜を棚へ戻したことも何度かあった。

今振り返ると、スーパーへ行くだけでも毎日が勉強だった。

生ゴミが出ない食生活

最初の頃の食生活は、とても褒められるものではなかった。

パン。

パスタ。

たまに冷凍ポテト。

そんな毎日だった。

ある日、新しくWGへ入ってきた子に聞かれた。

「生ゴミって、どこに捨てるの?」

私は笑いながら答えた。

「ごめん。俺、生ゴミが出るもん食べへんから分からん(笑)」

今思えば、自分でも笑ってしまう。

でも、それくらい当時は、生活するだけで精いっぱいだった。

そして、ドイツへ来て1か月ほど経ったある日。

いつものように家へ帰ってきてから、気づいた。

「何も食べるものないやん」

その日は日曜日だった。

スーパーは閉まっている。

夜になってから開いている店を探すこともできず、結局、その日は水道水だけを飲んで寝た。

「これからは、ちゃんと買いだめしておこう」

そう心に誓ったことを、今でも覚えている。

ドイツで暮らすには、日曜日になる前の準備が必要だった。

失敗しながら、少しずつ日常になった

生活を始めた頃と比べると、スーパーやレストランで使うドイツ語は、ある程度覚えた。

買い物や注文で困ることも、少しずつ減ってきた。

ドイツへ来たばかりの頃は、スーパーへ行くだけでも緊張していた。

今では、買うものを選んでレジへ行き、簡単なやり取りを済ませて帰ってくる。それが少しずつ、特別なことではなく日常になってきた。

ただ、まだ世間話は難しい。

「今日はどうだった?」

「どこから来たの?」

そのくらいなら分かる。

でも、そこから先の会話になると、まだまだついていけない。

だから今の目標は、ただ注文ができるようになることではない。

何気ない会話を楽しめるようになることだ。

2か月暮らして分かったこと

ドイツ生活は、まだ始まって2か月。

失敗も多い。

分からないことも多い。

言葉が通じず、とりあえず笑ってうなずくこともある。

炭酸水を間違えて買うこともあれば、野菜の買い方が分からず、そっと棚へ戻すこともある。

日曜日に食べるものがなくなり、水道水だけで夜を乗り切ったこともあった。

それでも、旅行では味わえなかった「暮らす」という経験を、毎日少しずつ楽しめるようになってきた。

この2か月で一番感じたのは、

「住んでみないと分からないことが、本当にたくさんある」

ということだ。

言葉が完璧に分からなくても、人と仲良くなることはできる。

失敗しても、次からできるようになればいい。

分からなかったことが一つずつ分かるようになり、できなかったことが少しずつできるようになる。

そんな小さな変化を感じられることが、今のドイツ生活の楽しさなのかもしれない。

きっと、これから先も新しい発見は続いていく。

そして、そのたびに私はまた、

「日本と全然ちゃうやん」

と思うのだろう。